豆腐の「腐」
「腐」という文字は腐るという意味ではなく、柔らかいもの、弾力性のあるものという意味だったそうです。また、腐という文字を使うのを嫌って豆富、豆冨といったように表現することもあるようです。
豆腐の伝来
豆腐はその発祥の地である中国から伝来しました。いつ頃伝来したのかはいくつか説がありますが、奈良時代から平安時代にかけて遣唐使の僧侶によって伝わったという説が有力とされています。文献など記録が残っていないため、詳細は不明なのです。そして、豆腐が初めて文献に登場するのが平安末期。春日大社の神主の日記に「唐符」という記述があるのです。これが今の「豆腐」を指しているのだと言われています。
豆腐の普及
初めは僧侶の精進料理として豆腐は普及していました。本格的に庶民の食べ物として取り入れられるようになったのは江戸時代です。江戸初期は高級食品で一般庶民の食卓にあがるようになったのは、江戸中期でした。もっともそれは江戸や大阪、京都といった大都市に限られ全国的にというわけではありませんでした。また、江戸時代に出版された『豆腐百珍』には100種類もの様々な豆腐料理が紹介されています。その続編も出版されたことから、豆腐の人気は爆発的なものだったと言えるでしょう。
健康食品としてアメリカやヨーロッパなどでも
食材として用いられるようになりました。
たんぱく質、脂肪、鉄分、カルシウムなどミネラルを多く含む大豆を原料とした豆腐は植物性たんぱく質が豊富!カロリーの少ない健康食品として注目されています。工程の過程で得られる豆乳に、にがりを加え型に入れ、水分を抜くと、豆腐に。絹ごし豆腐と木綿豆腐はその製法によってわけられます。
その豆腐を薄く切って油で揚げたのが油揚です。油揚はだし汁の吸収もよく袋状であることから他の食材を包み込みことができます。
お稲荷さんなどがいい例です。その他、油揚げは様々な料理に活用されています。また、豆乳を煮た際に、表面にできた薄皮をすくい上げて作った食品が湯葉です。このように大豆は様々な食品に変わっていくのです。